第209回 古い実家について、売るか、貸すか、そのままにするか、迷っています。 どのようなことを基準に判断すればよいかを教えてください。
親から受け継いだ家や長く人が住まなくなった家を前にすると、売る?貸す?そのままにする?という判断に迷う方は少なくありません。特に古い実家は思い出が残っている一方で、維持費や管理の手間、将来の相続問題などが重なり感情だけでは決めにくい資産です。まず大切なのはその家を今後どのように活用したいのか、家族の意向と現実的な負担を分けて考えることです。
売る場合の大きな利点は固定資産税や修繕費、草木の管理、空き家リスクから解放されることです。築年数が古い家でも土地に価値がある地域であれば、建物付き土地や更地前提の物件として売却できる可能性があります。ただし古い実家は建物の劣化、接道条件再建築の可否境界の不明確さなどによって価格が大きく変わるのです。売却を検討するなら不動産会社に査定を依頼するだけでなく、解体費や測量費、譲渡所得税の有無も確認しておくと安心です。思い出のある家を手放す寂しさはありますが使わない資産を現金化し、相続人同士で分けやすくなる点は大きなメリットです。
貸す場合は、家を所有したまま収入を得られる可能性があります。将来的に自分や家族が住む予定がある場合や、地域に一定の賃貸需要がある場合には選択肢になります。ただし、古い実家をそのまま貸せるとは限りません。水回り耐震性、雨漏り電気設備給湯器などに不具合があれば入居前に修繕が必要です。初期費用をかけても家賃で回収できる見込みがあるかを冷静に計算する必要があります。借主が入ると自由に売却しにくくなる場合もあるのです。普通借家契約にするのか期限を決めた定期借家契約にするのかで、将来の使い勝手も変わります。
そのままにする場合は、急いで決断しなくてよいという安心感があります。家族で話し合う時間を確保でき、思い出の整理や遺品整理も段階的に進められます。