第175回 災難除けを祈願する「木の俣くぐり」にチャレンジ!

第175回 災難除けを祈願する「木の俣くぐり」にチャレンジ!

古来より和歌山では初詣に「日前宮」「竈山神社」「伊太祁曽神社」をめぐる「三社参り」を行う慣習が伝承されていますが、現代でも実践されている方も多いのではないでしょうか。今回はそんな和歌山市を代表する3つの神社から、伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ)を紹介します。

同神社の公式サイトによると、伊太祁曽神社は、国中に樹木を植えてまわったと『日本書紀』に記される「五十猛命(いたけるのみこと)」を祀っています。一般には「木の神様」として慕われており、全国の木材関係者のお参りが多い神社でもあります。

 

『古事記』には「大屋毘古神(おほやびこのかみ)」として記され、災難に遭った大国主神(おほくにぬしのかみ)の命を救った話が伝承されています。このことから「いのちの神」「厄難除けの神」として信仰が篤く、病気平癒、厄除を祈願する参拝者が多いそうです。

 

歴史や格式のある御由緒はもちろんですが、観光スポットとしても魅力が多い神社でもあります。まずはチェーンソーカービングで製作された干支たち。ネズミや犬といった可愛らしさ全開の干支もいれば、神々しい龍や牛などのリアルタイプも鎮座しています。ぜひ自分の干支の作品を探してみてください。

 

 

同神社に参拝した時にぜひチャレンジしてほしいのが「木の俣くぐり」です。御祭神である五十猛命が、大国主神を木の俣をくぐらせて災難から救ったという『古事記』の神話にちなむもので、身をかがめて木の俣をくぐると災難除けになるといわれています。

 

果たして、この狭い木の俣に身をくぐらせることはできるのか? 下半身がつっかえたりしないか…恐る恐る入ってみると、意外に通り抜けられそう。しかも木の中は外から見るより広さを感じる空間で、大人が膝立ちしても窮屈さは感じません。

 

木の中で厄除を祈願し、無事、向こう側に通り抜けました。授与所では木の俣くぐり体験証明書を発行してもらえるので(初穂料が必要)、チャレンジの記念にゲットしてみては?

来訪時は休業でしたが、境内には喫茶「木もれび」がありますし、朱塗りの橋から眺めるのんびりとした情景にも癒されます。毎年4月第1日曜には、日々の木々の恩恵に感謝する「木祭り」が行われます。近隣を訪れることがあればお参りしてみてはいかがでしょう。見どころがたくさんありますよ!