第116回 郷土の歴史や文化を歌い続ける演歌歌手・宮本静さんが新曲を発表!

和歌山県内の歴史や文化を歌い、郷土の魅力を発信している紀の川市の歌手・宮本静さんが、新曲『樫野崎の絆~カイロスの星~/恋の川 星の川~安珍清姫七夕伝説~/紀州♪紀の国♪癒やし歌』を発表しました。

『恋の川 星の川~安珍清姫七夕伝説~』は、和歌山県最古の寺、道成寺に伝わる安珍清姫伝説の情念あふれる物語に、ロマンティックな七夕の要素を加え、ラブファンタジーとして完成させた意欲作。1980年代のニューミュージックを彷彿とさせるメロディが印象的です。

「軽快なリズムだけど、歌詞には『許せない』『今宵こそ』といった女の情念が込められています。そんな気持ちを心に秘めて明るく歌います。皆さんと一緒に楽しめる振り付けにも注目してください」と宮本さん。

レコーディングとアルバムジャケットの撮影は、舞台である道成寺で行われました。現地のエネルギーをしっかり吸収し、ニューミュージックの歌い方を意識し、レコーディングを実施。撮影では「清姫さんの気持ちをイメージして」というカメラマンからの要望もあったという。「朝早くからの撮影だったから緊張もありましたが、どういう表情をしていいかわからなかった(笑)。でも普段のジャケ写では見られない私の表情に注目してください」とほほ笑みます。

『樫野崎の絆~カイロスの星~』は、本州最南端・串本から打ち上げられる日本初の民間ロケット「カイロス」に思いを寄せ、トルコ軍艦「エルトゥールル号」遭難で知られる樫野崎を舞台に絆の大切さを込めた壮大なラブバラード。メロディアスな曲調をエモーショナルに歌い上げた、生でこそ聴きたい曲です。

「レコーディングの場に立つと、映画『海難1890』を観ていたこともあり、エルトゥールル号の悲しい遭難事故や、日本とトルコの絆のことが思い出されて、曲の前奏が流れると気持ちが昂りました。トルコ記念館でレコーディングできるなんて、感謝の気持ちでいっぱい。気持ちを込めて最高の歌が歌えました」と振り返ります。

『紀州♪紀の国♪癒やし歌』は、橋本市在住のシンガーソングライター・検校たかおさんの作品。懐かしいふるさとの情景が目の前に浮かんでくる優しい歌詞が印象的なフォーク歌謡です。

「9枚目のシングルで初めて演歌が入っていないCDになりました。カイロスとはギリシア語で“チャンス”を意味するそうです。私自身、“演歌を封印した宮本静”を皆さんにお届けするチャンスを与えられた。「こんな楽曲も歌うんだ」と新鮮に感じてくだされば、うれしいです。新しい宮本静をぜひ見てください!」と宮本さんは意気込みます。