第185回 自宅の建築を考えています。住宅ローンの最近の動向について教えてください。
自宅の建築を検討されている方にとって、住宅ローンの動向は非常に重要な情報です。2025年現在、日本国内における住宅ローン市場は、金利動向や金融機関の融資姿勢、物価や政策の影響など多岐にわたる要因の影響を受けており、住宅取得の計画を立てるうえで慎重な判断が求められます。ここでは、2024年から2025年にかけての最新の動向を中心に解説いたします。
最近の動向でまず注目すべきは、長らく続いていた超低金利時代が終焉を迎えつつあるという点です。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、短期金利をプラス圏に引き上げました。これにより金融市場全体の金利水準がじわじわと上昇しており、住宅ローン金利もそれに連動する形で上昇傾向にあります。特に長期固定金利型のローンたとえば「フラット35」では、2023年半ばには年1.5%程度であった金利が2025年現在では2.0%台半ばにまで上昇しています。変動金利型に関しては政策金利の動きに対してある程度のラグを持ちますが、今後の利上げが継続される場合こちらも段階的に上がる可能性が高いと見られていると言えるでしょう。
金融機関の審査基準にも変化が見られます。金利上昇に伴い貸し倒れリスクを抑えるために、借入希望者に対する審査はやや厳格化される傾向にあります。とくにフリーランスや自営業者に対する審査では収入の安定性や事業継続性に対する評価が厳しくなっており、過去に比べて融資が通りにくくなっているとの報告もあるのです。そのため住宅ローンを検討する際には、年収や勤続年数、既存の借入状況などを含めて十分な準備が求められます。
物価上昇もローン利用者にとって無視できない要素です。現在の日本ではエネルギー価格や原材料費の高騰を背景に、住宅建設コストも上昇傾向にあります。これにより住宅価格自体が上がっており、必要な借入金額が増加する傾向にあるのです。