第172回 一戸建てやマンションを購入しようと考えています。予算はどのようなことを考慮して決定するのが一般的でしょうか。

第172回 一戸建てやマンションを購入しようと考えています。予算はどのようなことを考慮して決定するのが一般的でしょうか。

一戸建てやマンションを購入する際の予算の決定は、多くの要素を慎重に考慮する必要があります。購入後の生活を見据え、無理のない範囲で決めることが重要です。まず自身の収入と支出を正確に把握することが基本です。収入には給与やボーナス、配偶者の収入あるいは副業からの収入などが含まれます。一方支出には現在の家賃や光熱費、食費、保険料、教育費、車の維持費など日常的な生活費だけでなく突発的な出費も見込んでおく必要があります。

これらを基に、毎月返済可能な住宅ローンの金額を計算します。一般的には返済負担率と呼ばれる指標を用い、収入に無理のない割合を目安にすることが推奨されています。日本では年収の25%から30%以内を返済負担率の目安とするケースが多いですが、この範囲内であれば必ずしも問題がないわけではありません。家族構成や将来的な収入の変動、子どもの教育費や親の介護費用といった将来の支出を見越すことが重要です。特に子どもの進学や配偶者の仕事状況が変化する可能性がある場合には、慎重に計算を行うべきです。

次に頭金の準備状況も大きなポイントです。頭金を多く用意できる場合、借入額を抑えることができ、毎月の返済額や総返済額を軽減できます。ただし頭金を用意するために貯金を使い切ってしまうと、予期せぬ事態への備えがなくなってしまいます。そのため、購入後の生活費や緊急時のための貯蓄を残しておくことが大切です。一般的には頭金は物件価格の20%程度が理想とされていますが、ゼロまたは少額の頭金で購入することも可能な場合があります。その際は金利や返済額が増えることを考慮し、慎重に判断する必要があるのです。

住宅ローン以外の諸費用も忘れてはなりません。不動産購入には物件価格の他に諸費用で、仲介手数料や登記費用、税金、保険料、引越し費用などが必要です。これらは物件価格の5%10%程度になることが一般的であり、予算に含めて計算する必要があります。新築物件の場合はオプションや家具の購入費用中古物件の場合はリフォーム費用も発生することがありますので、それらも含めたトータルコストを把握することが重要です。