第149回 湿気が多い家が増えてきていると聞きました。理由と問題点と対策を教えてください。
湿気が多い家には、どのような理由と問題点があるでしょうか。
湿気が多い家が増えているといわれるのは、気密性の高い家が増えているのが1つの理由です。
現代の住宅は高気密・高断熱が主流ですから、対策しないと湿気が多い家になりやすいです。
洗濯物の部屋干しでも湿気が発生しますが、人の呼吸にも湿気が含まれています。
気密性の高い家は隙間風が少ない一方、湿気の逃げ場がなくて湿度が上がる一方です。
湿気が多い家はカビが生えやすく、カビはダニを引き寄せるので、健康の問題を引き起こす恐れがあります。カビが壁や家具などにも生える家は、家財の資産価値を損ねるのも問題点です。
対策としては、計画的に換気することが有効です。
換気は屋外の空気を取り込み、屋内の汚れた空気と湿気を排出する方法です。
エアコンの除湿機能や除湿機を使うのも効果的です。
湿気が多い家が増えている理由には、老朽化で雨水などが浸入することもあります。
老朽化が進んだ家は、屋根や屋根と壁の間などに隙間が生じ、そこから雨水が浸入します。
防水性能が劣化すれば、湿気を含む外気も屋外から浸入します。
老朽化による湿気が多い家は、建物の劣化が加速するのが問題点だといえるでしょう。
老朽化は不動産の価値を低下させるので、早急に手を打つ必要があります。
この場合の対策は、リフォーム・リノベーションで家を生まれ変わらせることです。シーリングやコーキングを打ち直すことで、隙間が解消して雨水や湿気の侵入を防げます。
木材・コンクリート建材の新築住宅は、湿気が多い家の傾向が強いです。
竣工から数年間は、木材・コンクリート建材が少しずつ水分を排出するので湿気が増えます。
建物全体が湿気に包まれる家は、汗が乾きにくく夏場に熱中症になりやすいので注意です。
木材の場合は、しっかり乾燥させてから建築に使うのが望ましいです。
コンクリート製の住宅は、水分が抜けてから入居するか、常に除湿して早く乾燥させる対策が現実的です。
水分が抜ける前に入居した場合は、天気の良い日の気温が高い時間帯に、屋内外の空気を入れ替えましょう。
窓を開ける回数を増やせば、建材の水分と屋内の湿気の排出を促す対策になります。