第129回 中古住宅の購入を考えています。注意すべき点を教えてください。

中古住宅は新築より安く購入できるというメリットがあります。一方で注意が必要な点もあるので、買う前に把握しておくことが重要です。まず建物として劣化の程度を見極めなければなりません。外観が綺麗だからといって、万全に近い状態とは限らないので気を付けてください。たとえば、外壁の資材が傷んでいても、塗装で覆い隠されると判断が難しくなります。内装に関しても同様であり、劣化している木材や板が壁紙で隠されている可能性があります。ですから、見た目だけに惑わされず、その内側までチェックすることがポイントになります。

また、水回りに関しても問題がないか確認しましょう。中古住宅を購入する際、リフォームを視野に入れる人が少なくありません。後で自分好みに改修すれば良いと考えるのです。たしかに大部分はアレンジが可能ですが、水回りだけは思い通りにならないケースがよくあります。あらかじめ配管の場所が固定されているので、そこから他に移設させるのは難しいからです。よって、浴室やトイレなどは基本的に大きく場所を変えられません。使い勝手が悪いと感じても、別の手段で解決する必要があります。

さらに動線がスムーズであることも確認しましょう。特にその中古物件が注文住宅の場合は念入りに調べることが大切です。動線は人や世帯によってかなり差があります。注文住宅は施主のライフスタイルを最大限に反映させたものであり、他の人には合わない可能性も高いです。それゆえ、自分がそこで生活する様子をリアルに想像して、ストレスを感じないか検証しなければなりません。ある程度はリフォームで補えますが、間取りの変更が必要だと高額になってしまいます。

その他の注意点として臭いの問題も挙げられます。実際に入ってみないと気付きにくいですが、これまでの生活でご自身には合わない臭いが染みついているケースもあるのです。特に喫煙者が長く暮らしていた場合などは、注意すべきでしょう。