第110回-あずまくんが答える『不動産物件を見に行こうと考えています。どのへんをチェックするといいですか?』
不動産物件を見るときは、そこで生活している様子をイメージすることが欠かせません。間取りを個別にチェックするのではなく、それらを連携させて使い勝手を推察することが大事です。特に大切なのは玄関から繋がるメインの動線です。リビングに至る流れに問題がないか確認し、そこからキッチンや各部屋に至るプロセスを見極めます。ストレスに感じる要因があるなら、それを回避する手段がないか考えてみましょう。たとえば、二階へ続く階段に行く際、リビングを通過しなければならない不動産物件もあります。子どもが小さい頃は構いませんが、ある程度の年齢になると、毎回家族と顔を合わせることを嫌がるかもしれません。この場合、リビング以外から行く方法があれば、このような構成でも大丈夫です。
また、断熱性能をチェックすることも大きなポイントになります。これは単純に過ごしやすさを意味するものではなく、日常生活の光熱費を左右するものです。断熱性能が優れていれば、エアコンを使用する程度を下げられます。そうすることで電気代を著しく節約することも可能になるのです。それどころかガスの使用料を減らすことにもつながります。断熱性能というと壁を意識しがちですが、屋根を調べることも忘れてはいけません。遮熱できる素材が使われていれば、太陽光による温度上昇を防ぎやすくなるからです。表面で反射することで熱が室内に入り込むことを未然に防げます。
さらに、セキュリティ面を確認することも怠らないでください。監視カメラは後付けも可能ですが、大元のシステムを導入するのは難しい場合もあります。インターネットを使用するタイプも多いので、光ファイバーの引き込みなども視野に入れて、トータルで問題がないかチェックしておきましょう。防災面に関してもこの段階で確認しておくのが得策です。避難経路が設計の段階で確立されている必要があります。エクステリアも含めて、スムーズに避難できることを確かめなければなりません。