第103回-あずまくんが答える-『自宅を買いかえる際、売却と購入、どちらを先にしたほうが良いですか?それぞれどのような注意点があるでしょうか。』
自宅を買いかえる際は検討すべきことが多くあり、その中でも特に難しいのは手順を決めることです。売却と購入、どちらを先にするのか悩む人は少なくありません。両方とも大きなお金が動くので、できるだけ得をする手順を選びたいと思うでしょう。しかし、実は画一的な回答は存在せず、それぞれにメリットや注意点が存在します。それを考慮したうえで、自分のケースではどちらが良いのか考えることがポイントです。
売却を先にする場合の最大のメリットは、新居を購入するための資金を調達できることです。もちろん全額を確保するのは困難ですが、資金計画を立てやすくなるのは間違いありません。最初に売っておくことで、新居に使える金額の範囲も見当を付けられるようになります。焦って売却する必要がないこともメリットですが、予想より早く売れることもあるので注意しましょう。その場合は新居を購入するまで、仮の住まいを用意しなければなりません。ホテル暮らしが長引いてしまい、かなりの出費を伴うケースもあるのです。そのため、ある程度は買いたい新居に目星を付けておくこともポイントになります。少なくともノープランの状態で売却するのは良くありません。
一方、購入を先にするメリットは引っ越しのスケジュールを立てやすいことです。すでに自分のものとなっており、場所なども判明しているので転居に障害はありません。仮の住まいも不要なので、そちらへの出費を計算しなくて良いこともメリットとなっています。ただし、売却に時間がかかった場合はデメリットが大きくなってしまいます。それまでは家を2つ所有している状態になるので、固定資産税などの出費が膨れ上がるからです。二重ローンになる可能性も高いので、経済的に一気に苦しくなることが懸念されます。資金繰りを悪化させたくないなら、先に購入することは得策ではありません。資金に余裕がないにもかかわらず、売却の目処が立っていないなら考え直したほうが良いでしょう。