第95回 あずまくんが答える『自宅を建設予定です。「家相」とは何ですか。どのくらい信じればよいでしょうか。』
家相とは何かといわれて端的にいえば、土地や家に関する吉凶を意味する相のことで、風水的に方角や間取りの良し悪しを判断するものです。一種の風習ですが、元の風水は古代中国発祥で現在までに約5000年の歴史が存在しますから、長い歴史や風水を信じる人にとっては真面目に捉えてみる価値があるといえるでしょう。勿論、風水に関する興味が薄い人にとっても、家相は信じてみる価値があります。理由は家相や風水が風土や統計に基づきまとめられているもので、古くから家づくりに活用されてきたことです。
家相自体には陰陽五行説が関わっていますから、実は日本の神仏や平安神宮とも縁が深いです。奈良時代頃に中国から風水と共に伝わり、神仏習合思想を経て日本で独自に発展しました。影響を与えた要素には太極思想と陰陽道があり、平安時代には家相の元になった考え方が存在していたようです。鎌倉時代になると、かまどや門、井戸などを神格化したり、祟りを受けない為の位置を判断する書物が記されています。
これが家相の原点で、今でも信じる人にとってはなくてはならない、家づくりの間取りの判断材料になっているといえます。家相は時代と共に少しずつ変化しており、一時は迷信として避けるべきと考えられていた時代もありますが、現在は信じる人に対する理解もあって特に庶民の間で定着している形です。信じる信じないは自由ですし、信じなくても非難を受ける理由はありませんから、家相の捉え方や参考にするかどうかは自分次第です。大切なのは信じるか否かで、間取りによる吉凶が少しでも気になるのであれば、確認して家づくりに活かすことをおすすめします。
気になっても無視することはできるでしょうが、結局は後々になっても気になる可能性があるので、気にせずに済む為にも確認した方がよいと思われます。確認を済ませてから建設を始めれば、完成した後に安心して住み始められますし、家族で安心して日々を過ごすことができるようになるでしょう。