第86回 あずまくんが答える『二世帯住宅を検討しています。一階と二階に分ける予定ですが、親と子はどちらに住むのが一般的でしょうか。良い点悪い点などありますでしょうか。』

 二世帯住宅というと居住スペースを分けることがポイントで、一階と二階のどちらに親と子が住むかが焦点となります。一般的には親世帯が一階、子世帯が二階に住むのが一般的で、よくよく考えてみると合理的だといえます。一階に親世帯が住む理由としては、子供よりも親の方が年齢が上で、高齢になると介護も視野に入ってくることが挙げられます。まだ介護は早いという年齢であっても、体力の低下や足腰の弱りは避けられませんし、そうなると階段を上り下りする二階での生活は厳しいものです。体力だけでも親が一階、子供が二階を選ぶのは必然的ですし、合理的な選択で無難でもあります。
 一方、二階に子供が住むことにはデメリットもあります。それは孫の存在で、特に小さい子供が二階で暮らす場合には足音に注意が必要です。子供は元気に駆け回るのが仕事のようなものですから、走り回って騒音を発生させることになります。勿論、子供に悪気はないわけですが、それでも一階に暮らす親にとっては無視できない騒音です。静かな生活を心掛けても、二階で発生する生活音は避けられませんし、一階に響いてしまうので二世帯住宅では特に必要だといえるでしょう。しかし一階に親がいるということは、仕事や子育てと何かと忙しい子供にとって、いざという時に子供を預けられる相手がいることを意味します。  物事には表裏があるもので二世帯住宅も同様ですが、決して悪いことばかりではないわけです。
 理想をいえば上下ではなく左右で世帯を分ける二世帯住宅ですが、一階と二階で親と子が暮らす二世帯住宅も悪くないです。大切なのは予め生活する状況を具体的にイメージすること、そしてルールを決めて快適に暮らせるように、親と子がお互いに協力し合うことです。子世帯が一階となると、外出しやすくなったり孫の足音が気になりにくくなるメリットが生まれます。ただ、親にしわ寄せが行って外出のハードルが高くなったり、一階に下りることすら億劫になり得るので、やはり二世帯住宅は一階と二階に親と子がそれぞれ住むのが正解です。