第78回 あずまくんが答える『賃貸と持ち家で迷っています。何を基準に決めればよいでしょうか。』

賃貸と持ち家で迷ってしまった場合は、多角的に検討して決めるのが得策です。
 賃貸は引越しの自由度が高く、住み始めて気に入らなければ比較的早く家を変えることができます。また持ち家と違って設備の修理や維持費が少なく済むことや、収入が変化しても無理なく生活レベルを変えられるメリットがあります。
 対して持ち家の方は、設備や内装に拘ることができたり、家族構成に応じて無駄なく必要な部屋数を用意できる強みが存在します。リフォームのタイミングで自由に間取りを変えられますし、設備入れ替えの自由度が高いのも持ち家の方です。それと、ローンの返済が終われば以降の住居費の負担は減るので、そこも賃貸にはない持ち家のメリットだといえるでしょう。
 このように賃貸と持ち家は性質が異なり、特に家計に響いてきますから、収入の額や安定性を考慮に入れながら検討すべきです。
 当然ながらデメリットにも違いはありますし、賃貸は内装も間取りにも自由がないのが大きなデメリットです。住み続ける限り家賃の支払いは終わりませんし、将来的に年齢を理由に契約が更新できなくなる恐れもあります。
 持ち家は一度決めた住居の変更が難しく、簡単に手放せなかったり引越しのハードルが上がります。言うまでもなくメンテナンス費用は本人持ちですし、固定資産や都市計画といった税金の負担が伸し掛かるのも気になるところです。
マンションとなれば恒常的な出費が続きますから、収入に不安がある人にマンションの購入は不向きです。
 結局のところ、賃貸と持ち家にはそれぞれ良し悪しがあるので、その人にあった無理のない選択を基準に決めるのが現実的です。賃貸は収入や勤務地が一定ではなく、将来の収入や健康状態に不安がある人に向いています。
 持ち家は収入が安定していて定年まで働くことができたり、住宅ローンを完済できる自信がある人に最適です。家族が多くて部屋数が必要だったり、貯蓄などの資産に余裕がある人、結婚の予定がない人も賃貸より持ち家が向く傾向です。