第69回 あずまくんが答える『「外断熱」について教えてください。どのようなもので、メリットやデメリットは?』
建築物の中に対して断熱材を入れる事を断熱と呼び、断熱をする事によって外の空気の熱が出入りする事の予防に繋げられるのですが、断熱材を設ける場所により呼び方や働きが変化します。
柱よりも外側に位置し断熱してくれる仕組みを外断熱と呼び、壁面と柱の中間部に断熱材を設ける事により熱を断ってくれますし、つなぎ目が無い様子で建築物の周囲を包み込めるため気密性に長けています。
そのように建築物の周囲をつなぎ目が無い状態で包み込むと気密性が高くなるからこそ、建築物の中と外での温度差が起こりにくくなり冬でも結露に悩まされずに快適に過ごせます。
また、結露は住宅を生成している木材にカビを発生させたり金属に錆を発生させるきっかけにも繋がるので、結露の発生が予防させられる環境を生み出す事ができれば木材へのカビと金属への錆も与えずに済み、大切な住宅が長持ちさせられます。
こうした働きを持つ外断熱を建築物に対して採用する際、メリットと同時に理解しておいた方が良いのが外壁材の厚みが通常よりも厚くなる事です。
外壁材の厚みが厚くなるという事は、内部もしくは外側に厚くなった外壁材による影響が生じるという事なので、室内空間が広くない間取りで住宅設計をしている時には室内空間がますます狭くなる事がありますし、外の敷地が考えていたよりも狭くなる事もあります。
他にも地震についても理解しておくと安心であり、外断熱は仕組み上断熱材に被せるようにして外壁材を設置するという特徴があるため、大きな揺れが生じた時の事も考えて相談して完成を目指すようにしましょう。
そして、高い気密性と断熱性能を有しているからこそ外断熱は自然に内部の空気と外の空気が入れ替わる事は無いので、快適な環境を維持し続けるべく住人が意識的に換気をする機会を設ける事も大事です。
様々な観点から外断熱の特性を理解して導入すれば、夏は暑くて冬は寒い環境に住宅を建築しても長年にわたり快適に生活し続けられます。