第56回 あずまくんが答える『近頃リノベーションという言葉をよく聞きます。リフォームと同じですか。違うのであればどのように違うのですか。教えてください。』

 リノベーションは既存の建造物を大幅に変えるような、大規模な工事を行うことを指す言葉です。住居の住みやすさを高めたり、建造物の価値を高めるなどといった、様々な目的で行われます。具体的な内容だと、住居に住む人数が増えたことで、部屋と部屋の間にある壁を無くして空間を広くしたり、逆に壁を増やして住める人数を増やすなどの工事があります。一方でリフォームは、経年劣化などで老朽化した建物を、新築に近い状態に戻すことを指す言葉で、リノベーションとは根本的に違います。リフォームでは前の入居者の使用で、汚れてしまった壁紙やフローリングなどを、綺麗なものに取り換えて綺麗な状態にすることを言います。他にもリフォームでは、古くなったシステムキッチンや浴室のユニットバスなどを交換することもあり、古い設備を最新規格ものに取り換える時にも使われる言葉です。

 リノベーションとリフォームの違いに関しては、明確な線引きなどがないので基準が曖昧ですが、最も明確な違いとしては工事の規模や、工事後の設備や住居の性能についてです。リフォームでは壁紙やフローリングの交換や、システムキッチンやユニットバスを新しいものに変えたりなど、比較的小規模な工事になります。それに対しリノベーションの工事では、壁を撤去して新しい部屋を作ったりなどで間取りを変更したり、水道管や排水管の入れ替えなど、大規模で時間のかかる工事を指します。工事の規模やかかる時間の違いは、リノベーションとリフォームの大きな違いです。また住まいの性能についても、新しい部屋を作ったりなどの改築工事はリノベーションに分類され、壁紙を新しいものに変えたりなどの、新築の状態に戻すような工事はリフォームに分類されます。住居の状態や性能が新築の時と同等程度かそれ以下になる工事はリフォーム、新築の時以上の状態になる工事はリノベーションとなっていて、2つの言葉には大きな違いがあります。