第54回 あずまくんが答える『住宅の構造材別の長所と短所を教えてください』

日本の住宅は古くから木造が多かったのですが、近年では住宅の構造材に鉄骨や鉄筋コンクリートなどの素材も利用されるようになりました。また鉄筋木造といった双方のメリットを生かしたものも存在しており、それぞれに長所と短所を持っています。
木造の特徴はその柔軟性にあり、しなやかで軽量であることから地震が多い日本の特徴に合ったものとなっているのがポイントです。地震の揺れを分散し倒壊しにくい構造となっているほか、四季の変化に対して対応することもできるため、夏は涼しく冬は暖かい環境を維持することができると古くから利用されてきました。さらに加工がしやすいことから様々なデザインのものを作るのにも適しており、個性の豊かな住宅を建築することにも向いている素材となっています。しかし、燃えやすいと言うところが難点で、万が一火事になった場合には全焼する危険性も非常に高いのが特徴であるほか、一度倒壊すると連鎖的に全てが倒れてしまうと言う危険も持っていることから、この点に十分に注意をすることが必要です。
鉄骨や鉄筋コンクリートは構造材の中では非常に強く堅牢であるため、しっかりと固定できる点がポイントとなっている反面、しなやかさに欠けるため地震等の際には住宅が破壊されてしまうと言う危険も持っています。そのため、現在では免震構造を土台の部分に施すのが通例となっており、特に鉄筋コンクリートの場合にはコンクリート部分が衝撃に弱いためその対策を十分に行う必要があります。
さらに鉄は保熱性が良くないため、鉄骨や鉄筋コンクリートの場合には夏は暑くなる傾向があり、逆に冬は冷たくなってしまうと言うデメリットを持っています。そのため断熱対策等は十分に行う必要があり、安定性は高いものの様々な部分で木造に劣ると言う面を持っている点は否めません。
しかし金属を利用しているために災害などで倒壊をしてしまうことが比較的少なく、また重いために安定性が高いと言う点もメリットです。免震構造を採用することで重心が低い点がさらに効果的に生かされ、近年では快適性も非常に高いものが多いのが特徴となっています。