第189回 一軒家を保有していますが、地震が心配です。どのような対策があり、その概算価格はどれくらいでしょうか。
一軒家を所有している方にとって、地震への備えは非常に重要な課題です。日本は地震の多い国であり特に築年数が古い住宅では、現行の耐震基準を満たしていないことも多く大地震時の倒壊リスクが高まります。こうした不安を軽減するためには、耐震診断と耐震補強を中心とした具体的な対策を講じる必要があります。まず地震対策の第一歩で推奨されるのが「耐震診断」です。これは建物の構造や老朽度を調査し、地震時にどれだけの耐力があるかを評価するもので築年数が古い木造住宅や1981年以前の旧耐震基準で建てられた建物は特に診断を受けることが勧められます。耐震診断の費用は一般的に5万円から10万円程度ですが、自治体によっては補助金制度が設けられていることがあり、条件を満たせば費用の半額以上が補助されるケースもあります。
診断の結果補強が必要と判断された場合には、「耐震工事」を実施することになります。補強工事の内容は壁の補強、柱や基礎部分の屋根の軽量化金物の追加設置など多岐にわたります。工事内容によって費用は大きく異なりますが一般的な木造2階建て住宅の場合、軽度であれば50万円前後、中程度の補強で100万円から200万円程度構造全体にわたる大規模な補強では価格で300万円以上かかることもあります。耐震補強についても多くの自治体で助成制度が用意されており工事費の一定割合が補助されることがありますので、工事を検討する際には自治体の制度を必ず確認することが重要です。