第157回 いよいよ収穫がスタート!「南高梅」の名前の由来とは?
梅干のトップブランド「南高梅」の青梅の収穫が、例年5月下旬くらいから始まります。和歌山県の梅収穫量は全国収穫量の6割を占め、なかでもみなべ町の収穫量は3割を誇ります。名実ともに「日本一の梅の町」と称されています。
みなべ・田辺地方の梅栽培は、江戸時代にさかのぼります。同地方では米が育たなかったため、当時の田辺藩主が痩せた土地や山の斜面にやぶ梅を植えさせたことが、同地方に梅の栽培が広がるきっかけでした。
昭和20年代まで各農家で栽培されていた梅は、品種がさまざまで品質も不揃いでした。そのため市場の安定を図る目的で、現在のJA紀州が「優良母樹調査選定委員会」を設立し、同地に適した梅の選抜を行いました。最優良品種の選抜には5年を要しましたが、抜群の成績で選ばれた梅が「高田梅」でした。後に、選定調査に関わった南部高校の生徒たちの努力に敬意を表し、この梅を「南高梅」と名付け、昭和40年に品種登録しました。
南高梅は皮が柔らかく、厚い肉質が特徴です。豊富な味わいが揃う梅干しを筆頭に、梅酒やジュース、ジャムなどの加工品もたくさんあります。例年6月になると、みなべ町内の産直所には採れたての青梅が並び、甘酸っぱい香りが店内に漂います。青梅はスーパーなどでも販売されているので、梅干しや梅酒づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょう。自分好みの味つけにできておすすめですよ~。
※今回参考にさせていただいた和歌山県が発行する冊子「和歌山のテロワール」には、南高梅をはじめとした和歌山県産品の起源などについて詳しく書かれているので、興味のある人はチェックしてみてください!