第134回 印南町はかつお節発祥の地って知っていました?

和歌山県は日本の味のルーツといえる調味料や産品の誕生地として知られています。醤油や南高梅、金山寺味噌はその代表例ですが、日本人にとってなくてはならないかつお節も、実は和歌山県が発祥の地なのです。

かつお節の製法を考案したのは、印南漁民のリーダー・角屋甚太郎と伝承されています。時は江戸時代初期、絶好の漁場だった高知県土佐の足摺岬にいた彼が試みた「燻乾法(くんかんほう)」を元に、2代目甚太郎が「燻乾かび付け法」を編み出しました。それは火力でカツオを乾燥し、青かびをつけ日光乾燥を繰り返すというものでした。

この製法により、松の香りにも似たかつお節特有の風味を生み出すことに成功し、甚太郎は「土佐節の祖」と称えられました。印南漁民によるかつお漁とかつお節製造は、繁栄を極めたといいます。

現在、印南町ではかつお節の製造は行われていませんが、印南港近くの公園には「印南漁民顕彰の碑」が建立されています。また町内にある「印定寺」には、かつお節を考案した角屋甚五郎の位牌が祀られています。境内には漁の安全と豊漁を願って建立された観音堂があります。写真は印南町のキャラクター「カッくん」「エルちゃん」と一緒に撮影しました!

和食の原点であるかつお節にまつわる地域を巡る旅。紀中地方を訪れる際は立ち寄ってみてはいかがでしょう? 特に「印南漁民顕彰の碑」は国道42号線沿いからすぐの場所にあるので、気軽に立ち寄れます。印南町では「印南町謎解き周遊ツアー」キャンペーンも実施されているので、興味のある方は調べてみてください!