第129回 のどかな風景が広がる癒やしの里、和歌山市滝畑

今回、紹介するのは和歌山市北部にある滝畑地区です。大阪府との境界に近い場所にある集落で、昔ながらの佇まいの家が多く、田舎らしい風景が広がっています。

 

のどかな山道を西に歩くとたどり着く『春日神社』は、熊野古道中山王子社が合祀されている由緒ある神社です。神社の奥に見える小さな滝は「音無しの滝」。平安時代に清少納言が執筆した随筆「枕草子」に、この滝のことが記されているそうです。清少納言が見たかもしれない滝ってすごいですよね。

凡字が刻まれている岩場では役行者が修行していたと伝えられています。滝の上のお堂は、行者にまつわるものとのことで、ご神堂のある滝は珍しいようです。今でも修験者の方々がこちらに巡拝にこられる場所で、地元の方々も修験者の方たちと交流があるそうです。

神社からの帰り道には廃校にも立ち寄りました。地元の方に当時のお話をうかがい、昔の人たちの生活に思いを馳せました。道なき山道を開拓し、生活のために作物を栽培し、人の力で各所に運んでいたそうです。このように地域に住む人からお話をうかがうのも、まち歩きの楽しみの1つだと思います。

地域には春になると見事な桜が咲くという滝畑地区。今度は原風景に咲く桜を見に訪れたいです。