第95回 『霊験あらたか、紀南地方のパワースポット『救馬渓観音』』


上富田町にある開運・厄除けの霊場『救馬渓観音』はご存知ですか? 紀南地方の初詣スポットとして人気が高く、家内安全・縁結び・合格・交通安全などあらゆる祈願の寺として、広く信仰されています。

救馬渓観音は、約1300年前の飛鳥時代、修験道の開祖「役の行者」によって開山。その後、天歴7年(953)空也上人が自ら刻んだ観音像を奉安。後に熊野詣に行幸された鳥羽天皇が堂宇を建立しました。

名前の由来は、中興の祖といわれる「小栗判官」こと小栗小二郎助重。妻の照手姫と、湯治を目的に湯の峰温泉に向かう途中、突然愛馬が病に侵され動けなくなってしまいました。この時、霊験あらたかなることを聞き、従者と共に祈願すると馬の病は全快し、無事、湯の峰温泉にたどり着くことができました。愛馬が救われたことに感激した小栗判官は、応永33年(1426)堂宇を再建し、馬を救った観音様ということで「救馬渓観音」と名付けました。上富田町の「生馬」という地名や、「馬川」という川の名前は、この霊験に由来していると伝えられています。

山上には諸堂が点在しており、桜や紅葉の名所としても有名。また毎年6月には「あじさい曼荼羅園」が開園し、色とりどりのあじさいを見ることができます。境内には看板犬の姿も! 大人しくてとても癒されます♪

同観音は「救馬渓」の断崖に建てられているのですが、見上げると大岩が迫ってくるようで圧倒されるはず。「南紀熊野ジオパーク」のジオサイトとして登録されている、珍しい光景をぜひご覧あれ。このように見どころ満載のパワースポット『救馬渓観音』、紀南地方へのお出かけに立ち寄ってみてはいかがですか?