第18回 『嗚呼、うるわしの紀州漆器!』

会津漆器、輪島塗(山中漆器)などと共に漆器の日本三大産地として知られる和歌山。生活に根付いた素朴な椀と手に馴染む塗りの素地が魅力的ですよね。そんな紀州漆器の歴史を少し覗いてみましょう!

海南市の黒江を主な産地とする紀州漆器は、室町時代に木地師たちが紀州桧を木地に椀を作ったこと、根来寺の僧侶たちが器などの什器を自ら製作したことが起源と言われています。この根来寺で作られた塗物が後の「根来塗」で、根来寺焼討ちの際に難を逃れた職人が黒江で漆工に従事したことが、黒江漆器が繁栄した所以と言われています。


現代では、蒔絵の技術なども取り入れられ、一層優美に発展を遂げています。紀州漆器の展示・即売などを行う『うるわし館』では、漆器の蒔絵を気軽に体験することもでき、町中では毎年紀州漆器まつりが開催されるなど、地元でも大切に受け継がれています。丈夫で耐久性にも優れた和歌山が誇る名品。生活に取り入れて愉しんでみませんか?