第十回「紀南地方でサクラの新種を発見か!?」

※写真は県林業試験場提供

 

2017年、紀南の他、奈良・三重の一部に自生する早咲き桜が、国内の野生種としては100年以上ぶりの発見となる新種の可能性が高いことがわかり、その桜が「クマノザクラ」と命名されたことが、メディアなどの報道で話題となりました。

 

 

※写真は県林業試験場提供

 

これまでも地域住民の間で「ヤマザクラが2度咲く」と噂になることもあり、森林総合研究所多摩森林科学園の桜保全チーム長の勝木俊雄さんが当地を調査したのが発見のきっかけだそう。

調査の結果、紀伊半島に分布するヤマザクラやカスミザクラに似ているが、開花時期が早く、海岸近くでは3月上旬にも花が見られることや、葉身がひとまわり小さいなどの違いで区別できることがわかりました。

今回の調査結果から、1910年代以来の桜の野生新種ではないかという期待の他に、紀伊半島南部を包み込む大自然が、未知・未開の可能性をたっぷり抱えた素晴らしい地域なのではないかと、改めて全国的に見直され、注目されるきっかけを与えてくれたかもしれません。